家電を使うと火事になる⁉冬に多発する火事の原因を防ぐには??
【火の取り扱いには注意してください!】
毎年冬が来るとポスターがあったり、テレビでも聞いたりするお決まりのフレーズですが、皆さんは火災についての防災意識持ってますか?実は住宅火災の原因で1位は電気が原因なんです。令和3年の情報ですが、その件数は1,899件。1日約4軒が日本のどこかで燃えている状態です。火災の件数自体は減少傾向なのに、なぜこのように電気が原因の火災はなくならず、防ぐことができないのか?
じつはこの住宅火災とは、あなたの身の回りに本当に潜んでいて、無意識で【あと少しで火事になった】という事態になっているんです。今回はこの冬、自宅を燃やさないために、なにができるのか?どうすれば火事を防ぐことができるのか?気を付けるところは?という事を電気工事士が真剣に教えます。
- なぜ冬に火事が増えるのか?
- チェック項目とは?
- 寿命が来たら交換する
- 交換費用の目安とは?
- 高出力家電の見分け方は?
- なぜ昔は大丈夫だったのに今はダメなのか?
- 大事な人を火災で死なさないために
1.なぜ冬に火事が増えるのか?
みなさんは、なぜ冬に火事が増えるか知ってますか?焚火や、ファンヒーターの目の前にモノを置いたら燃えた。などそういった誰でも防げる自己責任的なことはなしにして、どうして自分の家から火が出るのか?という事を考えたことはありますか?きっとないです。皆さんが口をそろえて言うのは、
- コンセントにホコリがたまるトラッキング現象でしょ?
- コンセントが抜けかかってた
- 家電が古かった
など言われる方が多いです。でもこれ、よく考えると自己責任なんですよ。
- ホコリは掃除すればいい。
- コンセントがぬけそうなら挿せばいい。
- 古い家電は捨てて、新しい家電を買えばいい。この際中古品でも今より新しくすることが大事。たまに、20年前のレンジ、エアコン、ドライヤーを使っている方もいます。新品が無理でも、せめて製造5年前くらいの中古にでも買い替えましょう。
これが以外の理由で火事になるのですが、その原因がわかる場合はいますぐブラウザバックして火事にならない対策をしてください。わからない方は、真剣に読み進めてください。
火事になる最大の原因は、『コンセントの使い過ぎ』になります。
どういうことか?コンセントの裏側には、電線があります。この電線には、許容範囲があります。17A(アンペア)とか、28Aとか、36Aとか、使っている電線によって様々です。めっちゃわかりやすく言えば、100Wで1A使います。
つまり、レンジやトースターで800Wや1500Wって書いてあったりしますよね。ここですでに8A、15A使うんです。何も知らないって幸せなもので、15Aまでしか使えないよ。って電線なのに、1500Wのトースターで食パンあっためて800Wの電子レンジで飲み物をチンする人がいるんですよ。
15A(1500w)までしか使えない電線に、800W+1500Wの電気を流せば容量オーバーします。その容量オーバーが原因で、壁の中、コンセント部分からスパークし、発火し、火事になります。
2,チェック項目とは?
実際になにを調べれば安全に使えるのか?ということを教えます。重要です。必ず覚えましょう。
コンセントが専用回路なのか混合なのかを調べる
専用回路とは、大きな電流が流れる電化製品を使う場合、ブレーカーからわざわざその家電の為だけにコンセントを作るというめんどくさい工事です。10年前は15,000円前後でしたが、今は材料も人件費もすべて高騰しているので20,000円前後程度しますかね。
この専用回路、どこに設置するかというと、
- エアコン
- 電子レンジ
- 食器洗い乾燥機
- 電気自動車の充電器
などになります。
エアコンの専用回路は2005年より新しい物件であれば基本大丈夫ですが、まれにダメな物件もあります。一番問題なのが、電子レンジ用のコンセント。
電子レンジ専用ではなく、キッチン全体、キッチンとリビング兼用でブレーカーを使っている事があります。電子レンジ専用でコンセントがない場合、さっき書いた通り、許容電流を超えてしまうので発火する危険が高くなります。
正直素人は図面が読めません。不動産業者に説明してもらうのが一番早いです。第3の機関、電気屋に頼むと割高になりますし、最近は悪徳業者も多いのでお勧めがあまりできません。
3.寿命が来たら交換する
これまたみなさん、日本人の悪いところなんですが、使えるから大丈夫。ということで交換しない方。このような方が身内にいる場合、火事になる危険はグッと高くなります。なぜか?
ブレーカーが壊れている可能性があり、有事の時に役に立たない
子供でも知ってますね。ブレーカー。正式には遮断機、漏電遮断器、サービスブレーカーなどといったりします。3種類あそこにくっついてます。
結論は、このブレーカーの類も【家電】なんです。10年で部品交換。もしくは15年使ったら交換は真剣に考えようよ。20年!? 早く変えなよ!というレベルです。しかも触ったら感電する可能性があるので誰も掃除しませんよね?東京電力の方も言いますが、『汚い家はホコリや油汚れなどでほんとに汚い』というほどです。ちなみに我が家は、20年経過とは思えないほど綺麗。と言われます(自慢)。
普段ブレーカーが落ちないのは、壊れている可能性もあるからです。一般家庭であればこのブレーカーが壊れている段階で終わりなので、定期的に交換はした方がいいですね。
次に、コンセントになります。こちらも家電です。特によく使うコンセントはゆるくなってしまう事も多いです。10年経過するか、ゆるみ始めたら交換するようにしましょう。賃貸物件でも不定期ですが交換しているくらいです。(大家によります。ケチな大家はしていないことが多いようです)
ちなみに、電線は50年くらい持つと言われていますので、壁の中にある電線は気にしないで大丈夫でしょう。(東京電力も50年くらい大丈夫。といっていました。)
4.交換費用の目安とは?
交換と言われても、資格がないと交換ができません。最悪、自分の家なら交換してもいいとネットで書かれてもいますが、ダメです。そう言っても、自分に自信がある方は勝手にやるのでそれはもう燃えても自己責任ですし、最悪の場合火災保険もおりませんので、残るのは自己破産のみになります。それを理解してやってください。
ブレーカーの全交換費用
ブレーカーの大きさによりますが、4万円〜10万円程度になります。
アパートなどのブレーカーと一軒家のブレーカーでは大きさが違いますので金額に幅が出ています。
遮断機(漏電遮断器)の交換
部品代などを考えなければ、4,400円程度になります。
コンセント交換
一番安い簡単な形状で2~3千円くらいです。
スイッチ交換
3路スイッチやタイムスイッチのような特殊なものでなければ、コンセント同様2~3千円程度です。
何個もあれば高くなるかもしれませんが、その時はまとめて工事で安くしてくれる電気屋さんがほとんどです。
10~15年経過しているなら、一度交換工事を考えてみてはいかがでしょうか?
5.高出力家電の見分け方は?
家電の中で『高出力』の家電は何かわかりますか?実は簡単な見分け方があります。
1.暖房・熱を生む家電
エアコン、トースター、電子レンジ、食器洗い乾燥機(お湯にするために熱を生みます)などが熱を生む家電になります。電気は熱を生むのが苦手です。なのでこのような家電は高出力になります。熱は直接生みませんが、IHコンロも結果的に温める家電なので熱を生みます。
2.モーター・コンプレッサーが入っている家電
エアコン、洗濯機、掃除機などがこれにあたります。モーターやコンプレッサーは始動するときに通常消費の倍程度の電力を一時的に使うと言われています。このような家電はコンセントを併用するのをやめましょう。
6.なぜ昔は大丈夫だったのに今はダメなのか?
よく言われます。そもそも今まで使えてたんだから問題ない。と。
なぜダメなのかわかりますか?それは、家電が増えた、消費電力が増えたからです。昔の家、それこそ昭和の家の部屋、リビングをモデルに話しますが、家電とはなにがあったかわかりますか?
- テレビ
- ビデオデッキ
- 照明
- こたつ(夏は扇風機)
- ゲーム機(ファミコンなど)
- スタンドライト・デスクライト
以上です。ちょっとお金に余裕があれば、コンポ、ラジカセなどもありますが、昔は部屋にコンセントが6口あれば基本的に余裕で足りました。昔は今のようにIoT家電もなければ、各部屋にエアコンもありません。一軒家に一台もない家が普通でした。スマホもなければ、たこ足配線いっぱいの充電コードなんかもありません。
今はどうでしょうか?いくら消費電力が少なくなった省エネ家電。といえど見渡してみると様々な家電があると思います。今と昔では使う家電の量がそもそも違うんです。なので、昭和後半の時代の生活をするなら火事はそもそも少なくなると思います。昭和後期の人間たちがそのままの頭で令和の時代に家電をバンバン使うから容量超えとなり、火災が起きていくんです。
7.大事な人を火災で死なさないために
ハッキリと言います。当店の周囲は限界集落です。若い方がいなく、年寄しかいない。60歳以上がほとんどではないでしょうか。家も古い家ばかりで、2024年7月あたりにも一軒燃えました。あなたの実家、もしくは家も燃えないとは限りません。
まず、15年に1回でいいので、コンセント、スイッチ、ブレーカーは交換するようにしましょう。火を出さない、出荷する原因を根絶することが大切です。
また、高出力家電がある場合、専用回路を作りましょう。エアコンはもちろん、食器洗い乾燥機、電子レンジ、トースターなどはコンセントを調べて専用回路なのか、混合のコンセントかを調べて、専用回路がないのであれば、今からでも電子レンジ、トースター用のコンセントを作りましょう。電子レンジ、トースターを両方一緒に使っても電線を太くすれば問題ないので、いくらでも安全で使いやすいように工夫できます。
最後に、家電は製造10年を目途に買い替えをして下さい。リサイクル屋の目から見てても、危険な家電、大丈夫な家電の2種類があります。
危険な家電とは高出力家電全般です。エアコン、電子レンジ、トースターやドライヤーなど、エネルギーを大きく使う家電は古くなれば漏電の危険も高くなるので火事以外でも感電死のリスクが高くなります。また、扇風機などのモーターが入っている物も火災が起こりやすいので10年程度を目途に買い替えましょう。
10年経過しても大丈夫そう、という家電はテレビ、洗濯機、HDDレコーダーや電力をあまり使わない家電になります。炊飯器も長く使う人がいますね。
新品に買い替えた方がいい、とは言いません。高いですから。でも、10年以上使っている家電があれば、中古でもいいので、買い替えを検討してみませんか?
当店では洗濯機、冷蔵庫は5,500円程度で販売。エアコンは取付工事費込み最安が33,000円で販売しています。その他、電化製品が安く売られていますので、かなり古いものを使われている場合は、今より新しい中古品に買い替えてみてはいかがでしょうか?
終わりに
今回このブログを書こうと思ったのは火事が増えてきたからです。最近毎日サイレンを聞いています。
日常の生活でほんの少し注意すれば火事は防げます。古い家、ずっとコンセントなど手入れをしていない場合はこれをきっかけに一度真剣に設備の交換、修繕をご検討ください。当店でも、行政から電気工事の許可を受けていますのでご自宅の電気設備の一新が可能です。店頭では中古家電も販売しているので買い替えなどもできます。
- 実家が燃えないか心配。
- 火事が増えてきて親が気になる。
- コンセントが焦げた経験がある。
などの場合はぜひご検討いただければと思います。これから寒くなり暖房器具を使う機会がドンドン増えますので、火事には気を付けて正しく使用しましょう!