エアコン取り外し業者の選び方!家電量販店?個人業者?正しくエアコン業者を見極めよう!
エアコンを取り外したい!という方には2パターンいらっしゃいます。
- エアコンを引越し先で再利用したい方。
- エアコンを処分したい方。
以上の2パターンです。今回エアコンの処分、取り外し工事でお困りの方はどちらでしょうか?実はこの取り外した後に再利用するか処分するかで取り外し業者を間違えると【大損】をする可能性があります!ぜひエアコンを処分するのに正しい知識をもって、失敗しないエアコン処分、取り外し工事を覚えておきましょう!
- エアコンの取り外し工事を請けるにはそもそも資格が必要か
- 家電量販店へ依頼した場合は安心か?
- 個人の電気屋、回収業者や買取業者はどうか?
- 実際に取り外し工事をしてもらった場合の仕上がりはどうか?
- 壊れた場合は保証があるのか?
- まとめ
1.エアコンの取り外し工事を請けるにはそもそも資格が必要か
そもそもの問題ですが、エアコンの取外し工事って資格が必要だと皆様はご理解しているでしょうか?電気工事をするのだから、当然必要だ!と思っている方も大勢いらっしゃると思いますが、答えは『資格は不要』なケースもあるです。
エアコンの取り外し工事は一般の方でも誰でも行うことができます。
ただし、今お伝えしたのは、『自分で自分の家のエアコンを取り外すことはできる』とお伝えさせて頂きました。従って、自分で自分の家のエアコンを取り外すわけではない場合は【許認可】が必要となります。
エアコンの取り外し工事を金銭の発生の有無を問わず、仕事として頼むのであれば、これから紹介する資格が最低限必要になります。
1-1.電気工事士2種以上
国家資格になります。年2回の試験で筆記、実技をクリアして合格になります。小学生から受験可能です。私の知る限り、最年少は中学2年生の女の子が受かっていました。合格率は50%以上。一度取得すれば一生使える資格です。電気工事を仕事にするスタートラインの仕事になります。
1-2.電気工事登録業
家庭用のルームエアコンを工事する前提ですが、電気工事を仕事として行うための認可になります。基本的に県へ届け出て認可を受けます。認可を受ける条件として、
- 第2種電気工事士を取得し、3年以上実務経験があり、それを証明してくれる第3者がいること。
- 電気工事士1種(2種よりもすごい資格)以上を保持している事。
簡単に言えばこんな感じです。電気工事士として3年以上実務経験を積んで1人前になるか、電気を詳しく勉強して上位資格が必要、という事です。当たり前といえば当たり前ですね。
多くの場合は会社概要などに許認可一覧があるはずなので、金額だけで安い!頼もう!となってしまうと無資格の業者へ依頼してしまい、いらぬトラブルに巻き込まれたり、万が一火災など発生した場合責任を取らず逃げられてしまう事も考えられるので要注意です。
2.家電量販店へ依頼した場合は安心か?
家電量販店はエアコンの取り外し工事費用、処分にかかる費用などが『高い』です。では、頼んだ場合、許認可は持っているのでしょうか?電気工事士2種以上、電気工事登録業の許可を必要としているかどうかを調べてみました。
※ 名前貸し、名義貸しなどの手段を取って契約している業者の有無まではわかりませんので、あくまで参考としてみてください。
2-1.ケーズデンキ
全国展開している家電量販店の大手です。こちらの協力店、下請けに入るには、
- 電気工事士2種以上の資格
- 電気工事登録業の許可
が必要という事でしたので、経済産業省のルールに沿った業者がいると考えられます!
2-2.ヤマダ電機
こちらも全国展開している大手ですが、確認したところ、
- 電気工事士2種以上の資格
- 電気工事登録業の許可
が同じく必要という事でしたので、経済産業省のルールに沿った業者がいると考えられます!
2-3.コジマ電気(ビッグカメラ)
協力店の募集をしていないのか、調べてみましたが見つけることができませんでした。もし頼む場合は、許認可をもっているか作業前に確認してみるといいでしょう。
2-4.ノジマ電気
ショッピングモールなどに入っている家電量販店です。
確認しましたが、必要資格は明記されていませんでした。
応募要件のところにチェック項目はありましたので、電気工事登録業の許可はあってもなくても大丈夫そう?な感じで、電気工事2種は必須そうです。
2-5.デンキチ
埼玉県によく見ます。地域限定の家電量販店です。こちらは、
- 電気工事2種を持っている方優遇(必須ではないみたい)
- 電気工事登録業の許可は記載がない
状態でした。協力店登録の資格は電気工事の経験がある方。という書き方で資格や許認可はあまり触れていませんでした。
2-6.例外で引越し業者の場合
以前、引越し業者の下請けという感じのポジションでエアコンの取り外し工事、取付工事をしていた知り合いがいます。私は個人事業だった知り合いの会社のNo2というポジションで見ていましたので、ほぼ正直に書きます。
- 電気工事の資格は持っていない人間が工事していました
- 電気工事登録業の許可も持っていません
経済産業省のガイドラインを確認すると、【アウト】ですね。残念なことに、どこの引越し業者の工事をしていたのかは教えることができませんので、引越し業者にエアコン工事を任せた人は気になれば工事に来た人に免状を見せてもらう(常に持ちあることが義務付けられていいますので持ってないと違反)のと、電気工事登録業の許可の証拠を見せてもらってください。
3.個人の電気屋、回収業者や買取業者はどうか?
町の電気屋さんや、ネットで検索した買取業者、回収業者はどう思いますか?
- HPが立派だから大丈夫。
- 口コミが多いから大丈夫。
- 評価が高いから大丈夫。
- テレビに出てるの見たから大丈夫。
という判断基準では非常に危険です。まずは、会社概要の許認可などを確認して、【電気工事登録業の許可】と【電気工事士の資格】の有無を確認することが大切です。
3-1.個人の電気屋は高いけど許可はしっかりしている
個人電気屋さんは、さすが自分でお店を構えてやっているだけあって許認可はしっかりしています。
電気工事登録業の許可はもちろん、電気工事士1種、その他にもフロンガス関連などの資格を保有している方が非常に多いです。
親が電気屋だったから自分も電気屋。という方が意外と多く、代々電気屋の家庭が多いようです。
ただ、料金が個人の電気屋さんなので高いです。エアコンの取り外し費用でも1万円程度は覚悟した方がいいでしょう。
3-2.回収業者と買取業者
インターネットが普及してきた今、電気屋さんの対抗馬として伸びているのが回収業者や買取業者です。資格としては、
回収業者
- 産業廃棄物収集運搬業(ゴミ捨てるのに)
買取業者
- 産業廃棄物収集運搬業(ゴミ捨てるのに)
- 古物商(買取するのに)
以上の資格があれば最低限は開業できます。
大手買取業者の場合、セカンドストリートやトレジャーファクトリーなどは出張買取を下請け業者や専門部署へ任せていますので、下請け業者が電気工事の資格を持っていれば問題ないでしょう。ですが、ハードオフや普通の買取店では店長とアルバイト従業員などが出張買取に行くことがほとんどです。私の知る限り、買取店ではセカンドストリート、トレジャーファクトリー以外のお店で会社概要に許認可の資格が記載がない、明確に協力業者がエアコンの取り外し工事をする。と明記がない場合は【経済産業省のガイドラインに違反】している可能性が高いです。
回収業者も同じです。会社概要の部分に住所や許認可が記載されいますので、エアコンを回収します、買取しますというところに依頼する前に確認をお勧めします。
4.実際に取り外し工事をしてもらった場合の仕上がりはどうか?
では、実際にエアコンの取り外し工事を依頼した場合、引越し業者、家電量販店、買取業者、回収業者のどれが一番安心できるのか?という事を考えていきましょう。
4-1.ダメな例
こちらの写真を見て下さい。
エアコンを取り外した後の様子です。エアコンの室外機なのですが、ビニールテープでクルクル巻かれています。この部分には【ゴミなどが入ると壊れる】からこの業者もビニールテープで巻いているのでしょう。ですが、
隙間があり、中が見えています。
こちらはテープが完全に取れています。
中にゴミやほこりが入ると困るからふさいでいるのに全く意味がありません。
ちなみに、この部分にゴミが入るとエアコンは壊れます。修理費は3万円以上かかるので、6畳用エアコンなどの安いエアコンは修理よりも買い替えになることが多いでしょう。
テープも何も貼っていない状態で中が見えている方もいますし、ひどい方は冷媒ガスが漏れてびちゃびちゃになっています。
4-2.信用ができる例
では、どのような取り外し状態であれば信用ができるのでしょうか?
ガスが漏れているかどうかの判断はできないのですが、取り外し状態として、『まともな電気屋が取り外し工事をしたんだな』と判断する材料で2種類あります。
このようにプラスチック製のキャップでふさいで密閉している場合。
ゴミ製のキャップでふさいでいる場合。
この2パターンは取り外しの時にゴミが入らないようにメーカーが売っている材料です。そのお値段、1個数十円。おそらく、このキャップの存在を知らない工事業者も大勢います。
このキャップは家電量販店の人が取り外しても、つけてくれますし、街の電気屋が外しても取り付けてくれます。引越し業者の下請けでもつけてくれます。
ただし、全員ではありません。たまたま『仕事ができる業者さんが来た』程度と思った方がいいでしょう。私が買取で見ている限り、10台買取した場合1台も見ません。20台、30台買い取りして1台あるかないか?というレベルです。
ただ、買取業者、回収業者が取り付けているのは1度も私は見たことがありません。
5.再利用しようとしたが、エアコンが壊れてた場合は保証があるのか?
素人の方であれば業者に言いくるめられてしまうのかもしれませんが、テープがズレてしまうのは仕方ない。特に夏は暑いので粘着部分が弱くなり外れてしまうのですが、諦める方、そこまで興味がない方、壊れてもだれか保証するでしょ、という感じの方が非常に多く見受けられますが、甘いです。
引越し業者が移設したが内部にゴミが入り詰まった例
その他にも、冷房や暖房はあまり効かない、という方の場合はガスが漏れていることも多々あります。
新品でエアコンを買ったが部屋に合わないのか?と思い売却を使用としたお客様のエアコンはガス漏れ品でした。
まず、中古のエアコンは移設の際、
- 【製造5年以上経過した場合】は保証対象外
- 【他業者が取り外し工事を下したエアコン】は保証対象外
と保証しないルールをどのエアコン工事業者も決めています。
エアコンは【取り外し工事】と【取付工事】の2つを行います。もし、エアコンが壊れてしまった場合、あなたが明確にどこで何が原因で壊れたか言えますか?
厳しい言い方ですが、それがわからないと、取外し工事をした業者は、
『取付が悪いから責任はない。』
と言いますし、取り付けた業者は、
『元々壊れていたのではないか』
と言ってきます。中古のエアコンはやめとけ、中古のエアコンはよくない、中古のエアコンは壊れる、という事をよく聞きますが、その原因はここにあります。
取り外したあとに処分するのであれば、取り扱い方はどうでもいいと思いますが、再利用するのであれば、依頼する業者を選ばないといけません。取り付け後に壊れていても、支払ったお金は帰ってきませんし、大損することになります。
さきほど写真を見せたのも、家電量販店や電気屋、引越し業者などが外したから買い取りしてほしい、という方のエアコンです。正しい知識と、技術がある業者へ依頼しないとせっかく移設しようと考えているエアコンもゴミにされてしまいますので、よく考えて業者は選びましょう。
6.まとめ
いかがでしょうか?エアコンを再利用するにあたり、最低限気を付けないといけないのは、
- 適切に取り外し工事をすること。
- 冷媒ガスを回収すること。
- 取り外し工事をしたあと、配管、エアコン内部にゴミが入らないようにキャップをすること。
- ホコリ、水が多いところに設置しないこと。
- 液ガスが多く出てしまった場合はガス補充、もしくは入れ替えを行う事。
以上の5項目は最低限、移設の時に考えた方がいいでしょう。
また、取り外したあと、エアコンは処分するのであればそこまで取り扱いは丁寧でなくてもいいと思いますが、再利用するとなるとかなり神経を使うのがエアコンです。本体をぶつけてしまった、凹ませてしまったなどの見た目の故障もそうですが、エアコンは内部にゴミが入ると壊れてしまう超繊細な家電なので、ビニールテープで固定なんて変な事をしないで、メーカーが推奨する保護キャップを使用するなど、壊れないような丁寧な取り外し工事ができる業者へ依頼しましょう。
エアコンのお引越し、取り外し工事、処分で皆様が少しでも失敗しないお手伝いができたら幸いです。